種類:ファズ
アダプター:9Vセンターマイナス
電池駆動:9V電池
コントロール:VOL、TONE、SUSTAIN
One Control / BALTIC BLUE FUZZ
ワンコントロール / バルチックブルーファズ
歴史上、様々なファズペダルが作られてきました。それらは多くの伝説を作り、特にヴィンテージファズトーンを求めるプレイヤーは後を絶ちません。
中でもElectro-Harmonix Big Muff Piは数十年にわたる輝かしい実績と高い評価を得続け、今も進化を続けている世界的にも稀有なファズペダルです。
かつてマイク・マシューズはBig Muffの回路について“強いフィルターを通したファズ”だと語ったことがあります。One Control BALTIC BLUE FUZZは、そのアイディアに基づき、BJFが設計した新たな時代のヴィンテージファズペダルです。
ファズペダルは、1962年に発売されたMaestro Fuzz Tone FZ-1が世界初のモデルだと言われています。当初アメリカで開発されたファズペダルは1965年にリファインされ、FZ-1Aとして改良されます。
しかし同時期、英国でも後に伝説となるファズペダルが生まれていました。ゲイリー・ハーストが開発し、“Tone Bender”と名づけたそのペダルはFZ-1の回路に影響されながらもオリジナルなトーンで知られ、初代Mk1、翌1966年には過渡期のMk1.5、そしてMk2へと進化を遂げ、クローンモデルや発展形、OEMモデルなど爆発的にファズペダルの人気を高めます。
1966年にはTone Benderと並び世界的に有名な“Fuzz Face”も発売。この回路は現在Mk1.5と呼ばれる過渡期のTone Benderとよく似ていることでも知られます。
さらにTone Benderは1968年にはMk3、69年にはMk4が発売されます。
こうして、FZ-1から始まったファズペダルは、多くのバリエーションが作られ、数年にわたり熟成されました。
これらのUKファズに対し、1969年、ニューヨークにてとあるファズペダルが開発されます。当時Electro-Harmonix社のエンジニアを務めたボブ・マイヤーの手によるファズペダル、それが現在“トライアングル”と呼ばれる最初のBig Muff Piです。このモデルは1973年頃まで発売され、筐体を改めて“ラムズヘッド”と呼ばれるモデルにアップデートされます。
Big Muff Piは、当初アメリカで開発され、英国に渡って熟成を重ねたファズというエフェクトを研究し、新たに開発されたファズペダルなのです。ここに、今のギタリストが求める“ファズサウンド”の原点があると考えました。
BALTIC BLUE FUZZの回路は、Big Muffのクローンではありません。しかし、トポロジーは共通しています。
現在のギタリストが特に求めるBig Muffのトーンに“トライアングル”“ラムズヘッド”辺りのトーンがよく挙げられます。実機を比較すれば違いはあるものの、特に“トライアングル”と“ラムズヘッド”の回路はほとんど変わらず、音色も似通っています。この時代のトーンを作るべく、BALTIC BLUE FUZZは開発されました。
ヴィンテージファズの再現。それは世界中のビルダーが取り組んでいます。特に、当時のサウンドを100%完全に再現するとなれば、使用するヴィンテージNOSコンポーネンツは言うまでもなく、筐体、ポット、回路パターンに至るまで拘る必要があります。
One Control BJFシリーズは、圧倒的な小型筐体を用い、現在普通に入手出来るコンポーネンツを用いてBJFの設計するオリジナル回路を載せたエフェクターです。普遍的であり、仮に何かあったとしても“どこでも簡単に入手できる”モデルであることが重要だと考えています。
BALTIC BLUE FUZZの設計にあたり、BJFは複数の増幅ステージとフィルターを組み合わせました。この設計思想はBig Muffに通ずるものですが、安定性と現代の一般的なコンポーネンツに合わせるため、Op-Ampを用いています。
最初期のBig Muff……“トライアングル”や“ラムズヘッド”と聞いて頭の中で鳴る音。それがBALTIC BLUE FUZZのイメージです。
エフェクトをONにして音を出した瞬間、誰もが“あの音だ”と感じられる音であること。そして同時に、アンサンブルの中で前に抜ける音であること。
それはつまり、“ヴィンテージマフ”の音が欲しいと思った時、気兼ねなくペダルボードやギグバッグに入れて持ち運び、オーバードライブやディストーションペダルのように安心して踏むことが出来るペダルとなるのです。
BALTIC BLUE FUZZは、ヴィンテージマフサウンドを作るペダルであると同時に、特に音が前に抜けることも重視しています。そのため、ヴィンテージBIG MUFFと同等のゲインレンジを持ちながら、少しだけタイトでオリジナルよりも少しだけ低いゲインとなるよう調整しています。
また、エレキギターで使用することを前提にチューニングを施し、迫力のあるフィードバックトーンを作ることができるようにフィルタリングを行いました。ヴィンテージファズペダルやそのクローンモデルにありがちなピーキーさも無く、プレイングの安定感も高まります。
さらにBJFはBALTIC BLUE FUZZに、ヴィンテージオリジナルモデルとは比べ物にならないほど扱いやすいToneコントロールを与えました。ノブの全域でギターのトーンを破綻させること無く調整できるように設計し、ノブの動きが音として即座に伝わる、高い応答性を持たせました。伝説となったあるプレイヤーは「今欲しい音」を求めるために何台もの同じファズを用意させ、それらを取り替えて使いましたが、BALTIC BLUE FUZZならばToneノブを動かすだけで欲しい音を見つけられます。
ヴィンテージファズペダルには、ある種の魔力があります。伝説と呼ばれる本物のヴィンテージファズは、たしかに素晴らしいものです。また、そのトーンを再現するために研究を重ね、細部まで拘り抜いて組み上げられたハイエンドなクローンモデルにも、やはり鬼気迫るような迫力を感じます。
BALTIC BLUE FUZZは、当然ヴィンテージファズペダルではなく、またその再現に全てを賭けたペダルではありません。しかし、一聴してヴィンテージマフのトーンだと感じられる音を好みや機材に合わせて自在にコントロールでき、どこにでも気軽に持ち運ぶことができる、最も身近な“ヴィンテージマフ”ペダルなのです。
●特徴
・BJFによる完全新設計のファズペダル
・一聴して分かるヴィンテージマフトーン
・即座に好みの音に調整出来るTONEコントロール
・アンサンブルでも抜けの良いサウンド
・アルミ削り出しのハイクオリティなミニサイズケース
・電池内蔵も可能
●Specification
インプットインピーダンス : 40K
アウトプットインピーダンス : 50K
駆動電圧 : 9V
消費電流 : 6mA
S/N比 : -70dBm
サイズ:39Wx100Dx31H mm(突起含まず)
47Wx100Dx48H mm(突起含む)
重量:およそ160グラム(電池挿入時200グラム)
トゥルーバイパススイッチング
※電池は付属しません。
※文中にあるElectro-Harmonix、Big Muff Pi、Maestro、Fuzz Tone、FZ-1、FZ-1A、Tone Bender、Fuzz Faceは説明のためのものであり、New Sensor Corp、Gibson Guitar Corporation、Dunlop Manufacturing, Inc.、Macarisとは一切関係ありません。
BALTIC BLUE FUZZ(BBF)が届き、様々なギターやアンプを使用し、テストを行った。ハムバッカーのギターを使うと、BBFはフォーカスされたきめの細かい音となり、カルロス・サンタナのようなトーンが容易に得られる。
次にBJF/Lundgrenのセットを載せたストラトキャスターを接続すると、70年代、兄の寝室で聞いたレコードを思い出したよ。私の持つハイワットアンプは、ビッグマフを使ってもギルモアの音が出ないんだが、BBFを使えばまさにギルモアのトーンが得られた。P-90やテレキャスターでも楽しめるだろう。
ローインピーダンスなアクティブピックアップのギターを使えば、フィルタリングのレスポンスが変わり、一気にモダンなファズトーンになる。パッシブピックアップを使用し、BBFの前にBJF Bufferを置いても同様の効果が得られた。
BBFは、ブリティッシュアンプはもちろん、1967 Super Reverbのようなフェンダーアンプでも簡単に音を設定できる。
GRANITH GREY BOOSTER(GGB)のようなブースターと組み合わせる場合、GGBを先に接続するとモダンなトーンになる。GGBを後に接続すれば、2つのヴォリュームレベルを設定することができる。どちらも推奨できるだろう。
─── Bjorn Juhl
彼の耳が、感性が、そして強い意志が遂にOne Controlにとって
初めてのファズを作り出しました。
聴いたことがあり、想像したことがあり、触れたことの無い音。
私たちは過去を見つめ、未来を見つめ、ここ現在に音を生み出します。
One ControlとBJFがまた一つ伝説を生み出しました。
One Controlの細部にまで拘った商品は、贅沢という言葉が一番しっくりくるでしょう。これまでの製品を凌駕するその品質とスペック、徹底したユーザーフィードバックの拾い上げによる商品構築は、一番の遠回りに見えますが、実は一番の近道であると言うことを我々の商品によって実証できると確信しています。One Controlを足元に置いて、歴史の証人になりましょう。