種類:ギターシンセ
アダプター:9-18Vセンターマイナス
電池駆動:-
コントロール:VOLUME、RESONANCE、PARAMETER、ALGORITHM、OSCILLATORS]
Subdecay / M3
サブディケイ / エムスリー
Subdecay M3は、1978年に発売され世界的に人気となったセミモジュラーシンセ、MS-20をベースとした、3オシレーターのモノフォニックギターシンセペダルです。
セミモジュラーの複雑な操作性はなく、70年代のモノフォニックシンセのサウンドを作ることができます。
3つのアナログオシレーターはデジタル制御され、ギターと接続し、ストリングス、アナログベース、ベルトーンなど様々なアナログシンセトーンを作ります。
特に優れたトラッキングにより、シンセトーンを違和感なくプレイすることができます。
11種類のアルゴリズムと、各モード個別のパラメータを操作することができ、フィルターや2つのエンベロープジェネレーター、LFO、ポルタメントを操作して必要な音色に素早くアクセスすることができます。
M3は、オリジナルMS-20のアナログデュアルオシレーターではなく、3つのデジタルオシレーターを使用し、安定してファットなシンセトーンを出力します。
3つのオシレーターは11種類の組み合わせを選択でき、ストリングサウンドやアナログベース、ベルトーン、5thなどのサウンドをカバーし、フィルター、2つのエンベロープジェネレーター、LFO、ポルタメント等を制御する11種類のアルゴリズムを組み合わせることで、様々なサウンドを作ることができます。
まさにシンセペダルの傑作です。
●70sインスパイア
1970年代、電子楽器は大きな進歩を遂げました。初期のエレキギターのように、エレクトリックシンセサイザーを知らずに作られたものもありました。これらのエレクトリックノイズメーカーには手頃な価格のものも多くありました。
1983年にMIDIが登場するまで、「パッチを保存する」とは「ノートに設定を書いておく」ことを意味しました。これは、それ以前の常にメンテナンスやチューニングを必要とし、ライブではとても使うことのできない、スタジオ内のキャビネットからは大きな進歩だったのです。
そしてこの時代を象徴するシンセサイザーが生まれます。Subdecay M3には、この象徴的なアナログモノフォニックシンセの本質が詰め込まれています。
・コントロールとストラクチャー
・3つのオシレーター
・3つのLFO(各オシレーターのPWMとピッチ、フィルター)
・2つのエンベロープジェネレーター(フィルター/AMP)
・アナログVCF(ボルテージコントロールドレゾナントフィルター)
・VCA
70年代のシンセには、ボイスごとに2つのオシレーターまでが一般的で、LFOも単一でした。多くのシンセサイザーはフィルターとアンプ(音量)の制御に単一のエンベロープジェネレーターを使用しました。
Subdecay M3では80年代のシンセサイザーのトリックを借りて、70年代のシンセの良さを小さなペダルに落とし込みました。80年代のシンセサイザーはMIDIが標準になったことから、アナログシンセでもデジタルコントロールが必要となったのです。アナログエンベロープフォロワーとLFOはデジタルテクノロジーに置き換えられ、VCOはデジタル制御のオシレーターへと替わりました。コンピュータに使用されるプロセッサーがシンセサイザーにも使われることになりました。
●MS-20とM3
M3はMS-20からインスピレーションを受けて生まれました。MS-20はピュアアナログ、セミモジュラーシンセです。パッチケーブルを多数使用し、様々なコントロールの制御を内部、または外部のCVから行います。MS-20には36のノブと30近いパッチインプットがあります。音を作り出すと簡単に数時間が過ぎてしまう上、1つのノブの設定によっても音色が全く異なります。設定を覚えておくのは至難の業です。
M3はMS-20のエッセンスをギターペダルへと持ってきました。もっとシンプルにコントロールできるようになり、セッティングを覚えておくのも簡単になりましたが、M3はれっきとしたシンセサイザーです。
●デジタルとアナログ
M3のアウトプットはほぼアナログです。VCFとVCA、アナログ回路で制御でます。3つのオシレーターはデジタルコントロールによりのこぎり波とパルスを生み出します。これは、オシレータが“音痴にならない”ことを意味します。M3の内部では、80年代のシンセサイザーのようにデジタルエンベロープジェネレーターとLFOによりアナログ回路を制御しています。
●ギタリストにとっても扱いやすいシンセ
M3には121種類の基本的なパッチがあります。これは11タイプのオシレーターと、11タイプのアルゴリズムの組み合わせです。これらのアルゴリズムはPARAMETERノブで適切にコントロールできます。
●オシレーター
M3の各オシレーターはのこぎり波とパルス幅を可変してモジュレーションできるパルス波に対応しています。3つのLFOのうち1つがPWMを制御し、残りはピッチを制御します。オシレーターをデチューンしてコーラス効果を得ることもできます。
●コントロール
・OSCILLATORS:11タイプのオシレーターの組み合わせを選択します。
A~C:のこぎり波のアンサンブルで、弦楽器やホーンのようなサウンド
D~F:低周波のこぎり波とPWM波のミックスによるシンセベース
G:2つのオシレーターが入力ピッチをトラッキングし、オシレーターの1つが5thにオフセットされた、クラシックな5thシンセ
H:90年代のエレクトリックミュージックを思わせるメジャートライアド
I:オクターブを積み上げたのこぎり波
J:ベルやチャイム、エレクトリックピアノなどをシミュレートした、2つの矩形波とアッパーオクターブ5thの組み合わせ
K:3つのオシレーター全てが同時に矩形波を生み出す、シンセリード向けのトーン
・ALGORITHM:オシレーター以外の全てを制御します。フィルターとアンプのエンベロープ、LFO、ポルタメント、ピッチ。さらにPARAMETERノブで様々な設定をコントロールできます。
1:ワイドオープン(PARAMETER:フィルターオフセット):最もシンプルなシンセ設定の例で、ワイド、オープンなエンベロープリリースに設定されています。
2:ストリングエンベロープ(PARAMETER:フィルターオフセット):モデラートアタックと長いサステインを持ち、リバーブライクなリリースで、ストリングオシレーター設定に適したモードです。
3:ポルタメント(PARAMETER:フィルターオフセット):オシレーターの音程が変わるときにスムーズに移行します。クラシックなシンセリードに適しています。
4:ディケイ(PARAMETER:フィルター/アンプのディケイタイム):1~2秒の範囲でディケイを設定できます。
5:ディケイ/サステイン1(PARAMETER:フィルターサステイン):一般的なシンセトーンの1つ。素早いディケイを持ちますが、完全には減衰しない設定です。
6:ディケイ/サステイン2(PARAMETER:フィルターサステイン):ディケイ/サステイン1よりもスローでブライトなトーン
7:フェード(PARAMETER:ディケイ):ワイドなダウンワードフィルター
8:ヴィブラート(PARAMETER:フィルターLFOスピード):フィルターモジュレーションによるスローなディケイ
9:ファストモジュレーション(PARAMETER:スピード):2オクターブ下から2オクターブ上のオーディオレンジをフィルターする高速モジュレーションです。リングモジュレーター的なエフェクトを作ることもできます。
10:スローアタック(PARAMETER:アンプアタック):リバースやスウェル効果のような、アタックでフェードインするトーンです。
11:フィルターライズ(PARAMETER:ライズレート):各ノートはフィルターのライズスウィープをトリガーし、上昇がピークに到達したらフェードアウトします。
・VOLUME:音量を調整します。
・RESONANCE:フィルターのレゾナンスをコントロールします。
・PARAMETER:ALGORITHMにより異なるパラメータを調整します。
●スペック
インプットインピーダンス:500kΩ
アウトプットインピーダンス:5kΩ
バイパス:バッファードバイパス
●電源
Subdecay M3はスタンダードなセンターマイナスDC9~18Vアダプターで駆動します。消費電流は60mAです。電池はご使用になれません。
【Subdecay】
初めてギターを弾いた時の感覚を覚えていますか?
プラグを差し込むたびに新しい発見があり、常に可能性が広がるのを感じたことでしょう。
今、Subdecayのエフェクターにもその感覚があることでしょう。
ヴィンテージトーン、アナログシンセサイザーや8ビットコンピュータ。それらの音色や考え方こそ、Subdecayペダルの根底に流れるものです。
多くのオーディエンスから熱狂を受けようとするミュージシャンのため、Subdecayは数々のエフェクトをハンドクラフトで制作しています。